鹿児島で最も発見率の高い、ペット捜索を専門で行なうペット探偵は鹿児島RESCUE【レスキュー】犬、猫、鳥などお任せください

相談・依頼はこちら

受付時間:午前9時~午後8時

rescue1181com@gmail.com

鹿児島で迷い猫捜索・迷い犬捜索は
ペット探偵RESCUE
【レスキュー】におまかせ!

迷い猫捜索・迷い犬捜索

大切な家族が、ある日突然行方不明になってしまった…。
そんな事はないように日々気を付けていると思います。しかし、予期せずペットが行方不明になる事案が後を絶ちません。

わんちゃん、ねこちゃんなど外の世界を知らない子たちにとって、外の世界には様々な危険が待ち受けています。これらを回避するには、早期発見、早期保護が第一です。
そのために、鹿児島ペット探偵RESCUE【レスキュー】では、ペットとのコミュニケーションを重視しており、万が一に備えたコミュニケーション活動を行なっています。これにより、早期発見率は更に高いものとなります。

何よりの願いは、迷子になったペットが一秒でも早く飼い主様の待つ我が家に戻ってくること。飼い主様とペットが無事に再会でき、また一緒に笑って生活できるようお手伝いします。

鹿児島初!
ペット捜索専門のペット探偵は
RESCUE【レスキュー】!

迷い猫捜索・迷い犬捜索

皆さま初めまして。鹿児島ペット探偵の市坪と申します。
これまで数多くのペット捜索に携わり、この度地元鹿児島にて初のペット捜索専門のペット探偵RESCUE【レスキュー】をやらせていただく事になりました。

これからお話していく内容は、これまでのペットレスキューでの数々の事例と、忘れられないペットレスキューでの出来事、そしてクライアントとしてご依頼された飼い主様の声をお伝えすると共に、失踪を未然に防ぐ対策、そして失踪してしまった後の対策、更にご自身でペット捜索を試みる場合の注意点・ポイント等をお伝えしていきます。

大切な家族同様のペットがもし突然いなくなったら…そんなことは考えたくないと思いますが、いつ何が起こるかわからないのが自然の法則です。
万が一に備えることは皆さまの為でもあります。しかし、一番は命の危機に晒される犬・猫などのペットの為です。

今あなたの隣にペットはいますか?無邪気な可愛い姿を見せてくれていると思います。もしも、その姿が見えなくなったら…一刻も早くペットをレスキューし安全な我が家へ戻してあげることが最優先となるでしょう。ペット探偵は飼い主様に代わり、ありとあらゆる手段を駆使しペット捜索を行ないます。
犬・猫などのペットとは、残念ながら言葉を交わす事ができません。しかし、唯一できることは心と心で交わす愛情のコミュニケーションです。私は長年を通して、このペットとのコミュニケーションこそ人の癒しであり楽しみである、またペット達も同じなのだと確信しております。

それでは、長文になりますが最後までご覧いただけたら幸いです。

迷い猫・迷い犬は見つかる!
ペット探偵のペット捜索の実績と評価
そしてペットとの信頼のお話

〔事例1〕
マリーちゃんの大冒険はあの1歩から始まった

8月末お盆も過ぎ朝晩はだいぶ涼しくなってきた頃、営業開始と共に一本の電話がペット探偵事務所に鳴り響いた。
『ペット探偵さんですか。今朝起きたら飼っている猫の姿が見当たりません。』飼い主様はかなり動揺していた。一先ず飼い主様に落ち着いてもらい状況を詳しく伺うことに。
『昨夜は2階の寝室の窓を少し開けて寝てたのです。網戸はもちろんしていましたが、その網戸が今朝起きたら少し開いててもしかして…と飼ってる猫のマリーを家中捜したのですが見当たりません。』
この時点でわかることは3つ。外にこれまで自由に出していなかったこと、普段から窓を開け網戸で就寝していること、最後に寝室で一緒にマリーちゃんも寝てるということ。
そこで私は「網戸に爪後は残っていませんか?」と尋ねたところ『あります。今まで網戸に爪を立てる子ではなかったので多分昨夜ここから脱走したのかと…』飼い主様がどんどん落ち込んでいく様子が電話越しの声で伝わってきた。
この日飼い主様はどうしても休めない仕事があるようで、これから自分でペット捜索を行うことができずペット探偵に電話したそうです。
私は状況をもう少し把握したかった為、ご自宅の住所を聞いた。そして即座に捜索用端末でマップを開き失踪範囲を調べると、なんとそこは車の通りが非常に多い国道沿いに面した自宅であった。正直ゾッとして私自身も飼い主様同様に動揺してしまった。
飼い主様は私が考えていることと同じ考えであった。そう、それは交通事故。車に跳ねられでもしたら命に関わる。幸い助かったとしても大きな後遺症になる可能性もでてくる。私は急いで支度をし、念のため探偵2名で訪問した。訪問したころには飼い主様は仕事先へ向かっており不在。即座に1名は国道を往復し道路状況を確認。幸いにも道路にマリーちゃんの姿はなく一安心した。
まずは国道沿いに猫の嫌がる匂いを散布した。もちろん反対車線歩道側にもだ。これで少なからず国道に近づくリスクを回避する。猫は国道などの大きな道路は渡らないといわれているが絶対ではない。ちなみに散布するものは天然の物を使用しており、環境に影響もなく他の動物や人にも影響はない。
探偵1名は事務所に戻り保健所などの保護施設に連絡。そして大切なのが警察への連絡だ。なぜ大切かは後程明らかになるとして。
私一人でのペット捜索が開始した。8月末お盆が過ぎれば涼しくなるというが、日が昇るにつれグングン気温が上がっていく。アスファルトはまるで溶岩プレートのようだ。
「マリーちゃんは外の世界を知らない猫だ。地面がこんなにも熱く焼石になり肉球がびっくりして、そろそろ行動範囲が限定されてくるぞ。」この炎天下は野生の動物たちにも堪える。もちろんペットであり家猫のマリーちゃんにはもっとだ。
しかし、この行動範囲が限定されているうちに探し出さなければ夜が来てしまう。夜が来れば夏の野良猫たちは活発に動きはじめ、マリーちゃんに更なる危険が待ち受けている。焦る気持ちを落ち着かせ、低く涼しくかつ猫や犬の糞や尿の匂いが無いかを注意しながら捜索をした。
ご近所へ捜索協力のため、庭の捜索許可を頂きながらくまなく探す。同時に、ポスター等の失踪情報拡散を行ない、道行く人に片っ端から声をかけた。
自宅周辺はまず低い位置からだ。道路に腹ばいになり捜索していると、パトカーが来て必ず職務質問。この時警察にしっかり連絡していなければ、捜索時間が相当削られてしまう。1分1秒でも時間が惜しい。自宅周辺の捜索は難航し、ペット捜索1日目は見つけることが出来なかった。
飼い主様は予定より早く帰宅された。『見つかりましたか?』不安そうに私に聞いてきた。「今日は見つけることが出来ませんでした。」落胆した様子で『どこに行っちゃったんだろう。早く帰って来て。お腹も空いてるだろうな。』と飼い主様。
私は1つ疑問に思うことがあり質問をした。「普段から網戸だけで就寝されているのですか?」『はい。でも網戸を開けようとはしていません。窓の側で日向ぼっこをするときは小窓のほうでしていますし、まさか開けるなんて思ってもいませんでした。』
続けて私は質問をした。「今まで一度も外に出したことはありませんか?」すると飼い主様の様子が更に暗くなった。
『実は先日、猫用のリードを買ってそれで庭に抱っこして出ました。少し庭でお散歩させようと芝生に立たせたのですが怖がって直ぐ私に登ってきました。それ以降は怖がるのが可哀想なので出してはいません。』
ここでやっと網戸を開け脱走した原因がわかった。そう、室内でずっと育ったペット達は室内の広さしか知らず、その範囲内が全てだと思い込むのだが、一度でも外の地に足を付けることにより、空間認識をし行動可能範囲が一気に広がるのだ。
なぜ網戸からだったかというと、私の見解では風と匂いでマリーちゃんは“外”と認識し、行ってみよう!と試みたのだと考えた。その日は、私は帰宅し飼い主様との会話を何度も何度も思い出しながら床に就いた。
翌日、マリーちゃんの居場所は絞られた。低いところではなく高いところにいると。そしてもう一つ、草木のある場所ではないかと。
ご近所を1件1件訪問し許可を頂き、屋上をペット探偵必須アイテムのカメラ付き小型ドローン(200g以下)にて撮影を開始した。すると、5件隣のバルコニーの鉢と鉢の間で寝ているマリーちゃんらしき猫を発見。
この日は飼い主様も一緒に捜索していたため、即連絡を取り撮影画像を確認していただくと『マリーに間違いないです!』飼い主様の目は喜びに溢れていた。
しかしまだ油断は禁物。居場所が分かったとしても、数日外での生活を送り、飢えと恐怖で猫は非常に取り乱し飼い主様であっても即座に逃げてしまうことがある。そのため、飼い主様に注意を呼びかけマリーちゃんの大好きなおやつを持ってバルコニーへ向かった。
幸いにもマリーちゃんは落ち着いていて無事に保護することが出来た。飼い主様は涙を浮かべ、マリーちゃんも飼い主様にしっかり抱き着いて自宅へ帰宅した。
落ち着いたところで飼い主様が出てきた。『本当にありがとうございました。まさかあんなところで寝ていたなんて思いもしませんでした。』涙目でほっとしたようすで笑みを浮かべる飼い主様。
「いつも2階で寝ていますし、初めての外の世界が芝生と聞いていたので高いところと草木となれば木もしくは屋上に近いバルコニーかと思ってドローン飛ばして正解でした。一度外に出ていますので、もしかしたら今後外に出たがるかもしれません。十分注意して楽しくマリーちゃんと過ごしてくださいね。」
これにて無事ペット捜索終了。

鹿児島ペット探偵は
迷子になった犬・猫を一刻も早く捜索!
迷い猫も迷い犬も
ペットなら何でもお任せください!

〔事例2〕
小さな依頼者と愛犬チョコとの“絆”

桜のつぼみも膨らみ、ちらほらと桜の木に淡いピンクの色彩が描かれ行楽日和が続いた。しかし、今日の外は暗く空からは大きな雨の粒が降りゴロゴロと泣いていた。そんな日の午前10時、ペット探偵に一本の電話がかかってきた。
『猫や犬の探偵さんですか?実は3日前に、飼っている犬と娘が遊んでいたら庭先に猫が来て、その猫を追いかけて塀を飛び越えて行方が分からなくなってしまいました。迷子になってから、3日間捜索しましたが全く見つからなくて…依頼をお願いできませんか?』
飼い主様は落ち着いた様子だが、声に気迫を感じることが出来ず疲れ切った様子だった。きっと行方不明になったショックと3日間の懸命なペット捜索で心身共に限界だったのだろう。
私は探偵2名で出動準備を済ませ自宅へ向かった。早速詳しい話を聞くことに。飼い主様の3日間の捜索が難航した3つの理由が明らかになった。
まず1つ目は犬種の足の速さである。小型犬の中でも、とても足が速いイタリアン・グレーハウンドで、行動範囲も広く足の速さときたら哺乳類最強のスプリンター!イタリアン・グレーハウンドの祖先の瞬間時速はチーターよりも早く、そのDNAをこの犬種はバッチリ受け継いでいる。まるで小さなF1レーサーだ。直線を好み坂道は好きではない。でもやっぱり足が速い。一度脱走してしまうと、中々見つけることが難しい犬種である。
2つ目の理由は、無駄吠えをしない犬種でもある。環境にもよるがイタリアン・グレーハウンドはもともと無駄吠えが少なくとても飼いやすいペットとして人気がある。飼い主様によく吠えますか?と伺ったところやはりそんなに吠えることはないとのこと。鳴き声での捜索も困難。
3つ目の理由は、これが一番問題だった。通常犬や猫、特に犬はとても鼻が利く動物なのだが、チョコちゃんは春になるとアレルギーによる花粉症を発症し、ご飯も普段の量を食べなくなる。人間もそうだが、鼻が詰まり香りが鈍ると食べる意欲がなかなか湧かないものだ。鼻が十分に利いていれば、もしかしたら自宅の匂いを辿り自力で帰宅するかもしれないが、今はその期待は薄い。
こうしてカウンセリングを終えペットレスキューを開始した。先ずは猫を追いかけた方向を重点とし、自宅から500mの捜索を範囲とした。ペット探偵マップを確認したところ、500m圏内に山があった。
飼い主様に「山の捜索は行いましたか?」と尋ねたところ『山はまだです。ちょっと怖くて入れなくて…それに散歩コース外なので。』
私は山にいると確信しました。通常猫は道路に寝転んでいても『あ、猫だー。可愛いー。』となるが、道路や街中に犬がいたら『えっ⁉脱走した犬じゃない?』となり、保健所などの保護施設に通報が入る。
この地域の管轄の保護施設には、別の捜索員が対応していたが情報は入っていないことは確認されていた。しかし、保健所などで行き違いがあれば、保護されてから最短で翌日に保護対象外となり、最悪の事態になる。大体、各動物保護施設には一日2回の調査を行なう。よって人気のない山にペット捜索を絞り込んだのだ。
さて、まず私達探偵は山の所有者を特定しペットレスキューの許可を頂き捜索。険しい山道ではないものの、道を外れたら人の目線では遠くまで目視出来ない。かといって、山の中での捜索で腹ばいになりペットの目線で捜索するのは非常に危険である。他の動物による攻撃(イノシシ・熊・ヘビなど)を受けやすくなり、捜索が出来なくなってしまう可能性もある。
しかし、山での捜索で最も厄介で危険なものがダニと昆虫類だ。特にダニに関しては専用の防護服を着用しての捜索が必要だ。腹ばいにならなければ長靴などで十分なのだが、状況次第では対応しなくてはならない。
山にいくつかのトラップを仕掛け様子を見ることにした。一旦下山しご近所への聞き込みを始めた。しかし有力な情報はつかめず飼い主様の自宅へ戻った。
すると、そこには大きなランドセルをしょった小さな女の子がいた。依頼者でもあるこの自宅の娘さんであった。名前はありさちゃん(仮名)当時小学1年生。
探偵の一人が「こんにちは。今チョコちゃんを探してるからもう少し待っててね!絶対見つけるからね!」というと、ありさちゃんは『私も一緒に探す!!チョコは私の友達なんだもん!!』するとお母様が『ありさは危ないから探偵のお姉さん達に任せましょう。』それでもありさちゃんは、どうしても私たちと捜索をしたいとのことだったので、お母様も同行の元、残り数時間捜索を行なった。
散歩コースを再度回り、公園、私有地内をくまなく捜索した後、本日最後の捜索範囲へ。トラップを仕掛けている山へ向かった。
「お二人はこちらでお待ちください。トラップの様子を最後確認してきます。」ひとつひとつ仕掛けに変化が無いかを確認した。すると一つの仕掛けのエサが食われた跡が残っていた。
仕掛けには必ず、捜索対象の匂いのついたものを使用するので他の動物は安易に近づくことはない。
近くにチョコちゃんがいる。そう確信し探偵に知らせた。ちなみに動物の種類によっては捕獲機は使用しないことにしている。今回チョコちゃんの犬種はイタリアン・グレーハウンド。非常に骨折しやすいのだ。子供が抱っこで落として骨折する例が多いため、捕獲機内で万が一大暴れし大けがに繋がるリスクがあるため使用はしない。
辺りをもう一度捜索したが見つからなかった。山を下り、私はその旨をお伝えした。「仕掛けのエサに変化がありました。もしかしたらチョコちゃんの可能性があります。しかし辺りには見当たりませんでしたので、明日もう一度この周辺を捜索いたします。本日の捜索は終了します。」
するとありさちゃんが『チョコ見つからなかったの?もぉ捜すの止めるの…?』お母様が『今日はもぉ探偵のお姉ちゃんたちずっと捜してくれたからまた明日捜しましょう。』
私はすごく心苦しかった。ありさちゃんの不安そうな顔と、そしてお母様のありさちゃんを安心させようと表には出さない悲しみを堪えた優しさが。
『帰りましょう。』とお母様が言った途端、ありさちゃんは捜索中堪えていた涙と、心の叫びが夕暮れの暗い空に飛んだ。大粒の涙がこぼれ、鳴き声が響いた。私達探偵ももらい泣きしそうでグッと堪えていた。
とその時だった!山のほうからガサガサと音がしてこちらにスゴイ勢いで何かが近づいてきた。何かが走ってくる。もしかして…。
そう、そのもしかしてだった!チョコちゃんです!ありさちゃんの泣き声を聞いて飛び出してきたのです。私は考えました。「そうか、鼻は花粉症で利かないが耳は問題ない」のだと。チョコちゃんはありさちゃんの泣き声を聴き分けていた。
ありさちゃんは泣き止むどころか、チョコちゃんの姿を見て安心したのか、もっともっと空高くに溶け込むような声で泣いて喜び『ごめんね』とチョコちゃんに言って無事保護となりました。
帰宅しお母様からお話を伺うと、チョコちゃんはいつもありさちゃんが泣きだすと必ずありさちゃんの側に来て顔を舐めていたという。家の中で泣いてる時も、そしてお散歩中にありさちゃんが転んで泣いてる時も必ずそうしていたんだと。
まさかこんなドラマのような事が起きるなんて、私達探偵が一番びっくりだった。言葉を交わせないからこそ、人とペットの間には特別な何かが強く固く結ばれるのだなと。
後日飼い主様から手紙が届いた。手紙の内容の一部は『この度は本当にありがとうございました。ありさもチョコもまた普段通りの生活に戻りとても幸せです。探偵さんお二方の山の捜索のおかげです。もし依頼せず山周辺の捜索もしていなかったら未だに悲しみの日々を送っていたに違いありません。本当にありがとうございました。』と書かれていた。
私達探偵は、これからも離れ離れになった飼い主様とペットをまた元の生活に戻す事に誇りを持ち、ペットレスキューに全力で取り組もうと改めて強く思った。

ペット捜索は一刻を争う!
鹿児島ペット探偵レスキュー

〔事例3〕
おかえり、そしてさようなら

私がまだペットレスキューの新人時代のお話です。
猫捜索、犬捜索、鳥捜索、爬虫類捜索とやっと一通りの捜索で実績を上げ始めペット探偵として自信が付いてきた。
ペット探偵としての自覚も強まり、発見率は絶対に落とさない!必ず飼い主様の元へ大切なペットを連れて帰ろう!と勢い付いていた。そんなある日の営業終了間近、ペット探偵に1本の電話が鳴り響いた。
『ペット探偵さんですか?ペットレスキューをお願いしたいのですがこれからでも大丈夫でしょうか?』私は二つ返事で引き受けた。他の探偵は事務仕事もあり、私一人でのカウンセリングとペット捜索だった。
捜索対象は猫、種類はノルウェージャン・フォレストキャット。名前はノンノちゃん。ノルウェージャン・フォレストキャットは私も幼少期に飼っていた猫だ。
飼い主様の話によると、1週間前に雨の中飛び出して行ったという。すぐさま追いかけたが近くの茂みに入り込み見失ったという。以前も似たようなこともあり2日後に帰ってきたので、今回もお腹が空いたら帰って来るだろうと深追いをしなかったという。しかし、待てど暮らせど帰ってこないので3日目から自ら捜索を開始した。そして1週間が過ぎ意を決してペット探偵へ依頼したと話す。
自宅周辺のマップを確認したが、特に国道など交通量の多い道はなく閑静な住宅街であった。しかし、非常に家と家との間が狭く人が通れるか通れないかの場所も数多く存在したためスコープカメラを用意しておいた。このスコープカメラはペット探偵の必須アイテムである。このアイテムがのちにノンノちゃん発見につながった。
さて、まずはノンノちゃんが最初に入った茂みに私も入ってみた。しかし、そこは大人の私は絶対に入れないような場所だったため、周囲をぐるりと回り、どこか入れないか探してみた。唯一中に入れたところはあったが、ほんの1m範囲で広さは1畳もなかった。
周囲は暗く、かなり視界が悪かったためペット探偵必須アイテムスコープカメラを使い可能な限り奥を映してみたが、ノンノちゃんがいる気配はなかった。一旦ここは諦め、自宅から茂みの直線の反対側を捜索してみることにした。
近くには幼稚園や小学校もあり、捜索可能範囲が限られていたが、幼稚園や小学校などの、明るい時間帯に騒がしい所はあまり猫は好まない為、その先の住宅街を捜索。その住宅内に1件のコンビニがあったため、お店の人にノンノちゃんの写真を見せ聞き込みを行なったが見ていないとのこと。
そして次は、自動販売機の裏や駐車している自動車のしたもくまなく捜したが見つからなかった。捜索していると1台のバイクが近くに止まった。新聞配達員の方だった。
私は声を掛けた。「お忙しい所すみません。今飼っている猫が逃げ出して、その捜索をしているペットレスキューの者なのですが、このような猫を見かけませんでしたか?」すると新聞配達員の方は『ペット探偵ってやつだね!あぁ、たしか3日前の今ぐらいの時間にライオンみたいな白い猫が〇〇さん家のポスト裏の塀にいて逃げてったよ。びっくりしたよ。』間違いない!私はそう思い新聞配達員の方にお礼を言い、すぐさまその近くにペット捜索を開始した。
しかしこの日は見つからなかった。夜も明け、飼い主様に報告をしに自宅へ向かったのは午前6時だった。
「本日のペット捜索は終了します。新聞配達員の方から3日前にノンノちゃんらしき猫を見かけたという有力な情報が入りました。場所は〇〇〇〇。ライオンみたいな白い猫だったとおっしゃっていたので、ノンノちゃんに間違いないと思います。これから私は一旦事務所に戻り、また今夜捜索に移ります。このままお昼の明るい時間帯のペット捜索を希望される場合は、他の探偵が対応いたしますがどうしますか?」
飼い主様は迷うことなく答えた。『昼間のペット捜索をお願いします。』
「かしこまりました。では、本日のペット捜索状況を引き継ぎ後、直ぐに他の探偵を向かわせます。」私は事務所へ戻り、ペット捜索状況報告書を作成した。引継ぎが終了し、探偵が向かったことを確認して自宅へ帰った。
午後6時私は携帯の着信音で目が覚めた。「もしもし。」
『休んでるところすまない。』ノンノちゃんの猫捜索を引き継いだ、ペット探偵の先輩からだった。『ノンノちゃんの飼い主様がまた今夜捜索をお願いしているのだか行けるか?』
私はがっかりした。まだ見つかっていないのかと。早く見つけてお家に連れて帰らなければという思いしかなかった。「行きます!すぐに向かいますので報告書をお願いします。」
支度を済ませ引継ぎも完了した。先輩が捜索したルートは、新聞配達員の方が目撃された所から最初に逃げた茂みとは反対側までを捜索してくれていた。それでも見つからなかった。
私は悩んだ。もう一度目撃された場所を捜索するか範囲を広げるか。悩んだ結果、両方を選択した。4時間は目撃場所を、残りの4時間を茂み側からの直線での範囲拡大区域と。
深夜の捜索の為、私有地には入れないこととなっている。ならばとまだ捜索をしていない側溝を目いっぱい捜索することにした。
ペット探偵アイテムのスコープカメラを使い、くまなく探していると、見つけた!片側一車線沿いの側溝に。
しかし、なにか様子がおかしかった。私は急いで側溝の入り口を探したが見つからない。どこから入った?
やっと入った場所が分かった。ノンノちゃんがいるところからなんと10m程も離れている所に側溝の蓋がない場所が続いていた。ここからでは救出できないのでノンノちゃんがいる真上の側溝の蓋を外した。
しかし…そこには、すでに冷たくなっていたノンノちゃんの姿があった。首輪にはしっかりとローマ字でノンノと刻まれていた。私はノンノちゃんをそっと抱き上げ「ごめんね。お家に帰ろう。」と囁いた。
そして、すぐさま飼い主様へ連絡をしてノンノちゃんの自宅へ向かった。飼い主様が自宅外の通りに立っているのが見えた。私は走った。涙を堪えながら走った。そして飼い主様へノンノちゃんをお渡しした。
飼い主様は、震えた手をゆっくり伸ばし瞳を閉じたノンノちゃんを優しくぎゅっと抱いた。飼い主様はその場にしゃがみ込み、大粒の涙を流し震えた声で、出ない声を無理やり引き出すかのように『ノンノおかえり…おかえり…怖かったね…ごめんね。ごめんね。』と何度も何度も繰り返した。飼い主様は立ち上がり私に無言で軽く頭を下げ自宅へ入っていった。私は今はこれ以上入り込むこともできず、そのまま事務所へ帰還した。
数日後、私宛に電話がかかってきた。ノンノちゃんの飼い主様からであった。私はドキッとした。ペット探偵として初めての状況だったこともありペット捜索の責任追及かと思い込んでしまった。
しかし、私の考えている事とは全く正反対の内容であった。
『先日は取り乱ししっかりあいさつもできず、すみませんでした。』
私は予想外の展開で言葉を詰まらせ「いえ…とんでもございません。私がもっと早く発見できていれば…申し訳ございませんでした。」
『違うんです。あの後、ノンノをペットの葬儀場へ連れて行きました。そしたら葬儀場の方が「亡くなって3日以上も経ってますが、どうされたんですか?後ろ脚も骨折してるようですが?]と言われまして。多分、車と接触してびっくりして慌ててあの側溝奥に逃げ込んだんだと思います。なのでペット探偵へ依頼する前にノンノは…』
私は話の途中だったが、「今からご自宅にお伺いしてもよろしいでしょうか?」ノンノちゃんにお線香をあげたい…ただその思いでとっさに口にしてしまった。飼い主様は快く受け入れてくれた。
インターホンを鳴らす。先日お会いした時とは違い少し明るい様子だった。ノンノちゃんに手を合わせお線香をあげた。
飼い主様から『わざわざ来ていただいてありがとうございます。ノンノもきっと喜んでます。それから…』飼い主様の目に涙が浮かび始め『それから…ノンノを見つけてくれて本当にありがとうございました。ペット探偵さんが見つけていなかったら、この子は今もあの冷たい側溝の中にいたんだって思うと…そして、ちゃんとノンノとお別れできたことが本当に今は幸せです。この子が生まれて8年も一緒だったので何かぽっかりと抜け落ちてしまいましたが、こうして戻ってきてくれただけでも本当に良かったです。』と話してくれた。
ペット探偵としてペット捜索をする中でもちろん見つからないこともある。がしかし、最善を尽くすことにより何もしない時より状況は大きく変わることが多々ある。
新人時代の私にとって迷子猫ノンノちゃんの猫捜索は、なんとしてでも見つけ出し飼い主様と大切なペットとを再会させようと強く決意した捜索となった。